薬の副作用

こんにちは。

本日3回目の記事です。

私の本業は薬剤師なので、今回は薬の副作用について説明しようと思います。

副作用というのは、主作用に対して使われる言葉です。主作用というのは効果、効能であってその薬剤が目的としている作用です。例えば、花粉症などアレルギーに罹った時の治療薬のアレルギーに対する作用です。

それに対して、副作用というのは本来は目的としない作用です。抗アレルギー薬でねむけやふらつきのしたことのある方も多いと思います。この眠気というのはどうして生じるのでしょうか?

抗アレルギー薬には眠気のする成分を混合してある、と誤解なさっている方も多いようです。医療従事者の中にも少数ながらいるくらいですから。

よくある抗アレルギー薬の多くは、抗ヒスタミン薬であって、ヒスタミン受容体のH1受容体に対して拮抗的に作用します。このH1受容体は脳内にもあって、これを遮断することで、眠気やふらつきが出てきます。近年では、脳内への移行が少ない抗ヒスタミン薬も多く開発されており、眠気が生じにくいものも出ていますが。

また、薬が体の大きさに対して多いなどの理由で副作用が出ることもあります。子供では、例えば身長や体重が大きくても、薬の代謝に重要な肝臓や腎臓が十分に発達しておらず、薬の反応が大きく出る場合があります。また、逆に高齢者などでは肝臓や腎臓の機能が低下しており、薬の作用が大きく出ることもあります。

病気にかかったらドラッグストアなどで薬を服用することは私も多いですが、薬のことをまがりなりにもわかっているので、使用上の注意はよく読みます。予期せぬ副作用が出るかもしれないし、服用上の注意点を書いてありますから。

今まで薬剤師をしていて、副作用のない薬に出会ったことはありません。医療用の漢方薬やビタミン剤などにも副作用というのは必ず記載されています。出現の頻度は少ないかもしれませんが、副作用は必ず存在します。

もしも副作用のない薬があったとしたら、医師の処方や薬剤師による管理や調剤、またドラッグストアでの登録販売者による説明はいらないでしょう。

これを読んだ皆さんも、薬のことはわかっているつもりにならず、医師や薬剤師の説明はよく聞くようにしてください。わからないことがあったら質問してもいいでしょう。そうすることで、よく行く病院やクリニック、薬局の医師や薬剤師も勉強をしてレベルがあがりますから。

 

それではまた、薬について思うことも発信していきます。